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守護石の王国

守護石の王国-はじまり-(ミーナ)

――山奥の小さな町――

 

 心地よい春風が小さな町、小さな体を吹き抜けていく

 

「いい天気だ。

 世界はこんなにも輝いているよ…お母さん。」

 

 

 山奥にひっそりとある小さな町。

 今まで宝石を持って生まれてきたものがいなかったその町に

 透き通るピンクのモルガン石を片耳につけて生を授かった子

 それが僕だ。

 母は体の弱い人だった。

 僕を生んだその人はそのまま生を終わらせた。

 

 僕を産まなければ生きていけたのに…。

 

 父は誰かはわからない。

 身寄りもない母は僕を1人で育てるつもりだったらしい。

 母が自らの命をを代償にして生んだ子は普通とは違っていた

 町の住人は困惑したそうだ。

 石が体に埋まって生まれた子など今までいなかったのだから

 

 突然変異か、何かの病気か、

 町の人は僕を殺す選択肢も視野に入れていた。

 赤子の僕はその雰囲気を感じ取ったのだろうか

 真っ直ぐに町の人たちを黙って見ていたらしい。

 その姿を見て町長の娘が僕を育てると決めたそうだ。

 

 それが第二の母である僕の育ての親。

 彼女はとても豪快な人だった。

 王宮の”守護石さま”に憧れてその人を守るために末端では

 あるが軍人職についていたが体を壊し町へ戻ってきた時、

 宝石を持つ僕が生まれたという不思議な繋がりであった。

 

 彼女は人として、母として、僕に色々なことを教えてくれた

 宝石を持って生まれた僕にはやるべき使命がある。

 だから今はその時に備えて精一杯生きること。それが彼女の

 教えであった。

 “守護石さま”に憧れていた彼女だがそこまで“守護石さま”の

 ことは詳しく知らなかった。

 秘密が多いということだけはわかった。

 いつか自分がその秘密を知ることが出来れば彼女に教えてあ

 げたかった。恩返しをしたいと幼いながらに思っていた。

 だが、その日は永遠に訪れることはなくなってしまった…。

 

 僕が8歳の頃、”宝石を身に持つ珍しい人間”を捕えようと

 山の荒くれ者達が町を襲ってきた。

 そして僕の第二の母である彼女は連れ去られそうになった僕

 を庇い背中に斧を受けて亡くなってしまった。

 結果、町は守られたが僕は町の者から疎まれる存在となった。

 

 『世界はあなたを見守っているわ。

  だからこの世界を信じて愛してあげて。

  その宝石を持つ意味と、使命を。探し出して。』

 

 彼女が僕に教えてくれた言葉一つ一つが今の僕の支えだ。

 

 見守るだけの世界なんていらないと宝石を壊そうとしたこと

 もあった。悲しいだけの世界を僕が愛することはないと絶望

 していたこともあった。

 でも僕は…。僕は母のくれた命ともう1人の母が守ってくれた

 この命を大事にしようと決めた。2人の分も生きなければと。

 そしてこの手に余るほどもらった愛と言葉と意思を

 僕は引き継いで伝えたいんだ。             

 

 

 

 守護石さま候補になった今の目標は

 

  ------守護石さまになって

        この世界を愛すること----------

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